JAE&Xenoma社 スマートテキスタイルコネクタ開発の舞台裏

RK01シリーズ
  • I Oコネクタ

東京大学発スタートアップのXenoma(ゼノマ、東京都大田区)は、衣服にセンサを埋め込んだウエアラブルデバイスなどを手掛けておられます。その一環で、電気で筋肉を刺激して運動効果を高めるスーツの開発を計画。当社が協力してコネクタを開発し、製品化を実現しました。その取り組みを、Xenomaの中島正雄様(Co-Founder&CPO)と、当社のコネクタ事業部・松永章宏で振り返り、今後を展望しました。


展示会での出会いから お互いに「最適パートナー」

コネクタ事業部製品開発部 松永章宏

コネクタ事業部 製品開発部 松永章宏

松永:始まりは海外展示会でのお話からでしたね。導電性繊維などを使用したスマートテキスタイルを使うスマート衣料は、スマートウォッチなどでは難しいセンシングなど、より高度なセンシングやアプリケーションを実装することができ今後、予防医療分野を中心に市場が一段と拡大するとみています。私たちはスマートテキスタイルへの取り組みを2016年ごろから開始しており、御社のことはメディアを通して知っていましたが、協業は御社の出展ブースでお話をしたのがきっかけでした。

中島Co-Founder&CPO様(以下、中島)

私たちは、東京大学で研究開発した伸縮配線を用いたスマートアパレル製品を展開していて、電気刺激を与えられるEMSスーツの製品化を検討していました。ただ、これを実現するには、伸縮配線に対して、安全・安定した接続ができる接続信頼性が求められ、家庭での洗濯などにも耐えられる堅ろうなコネクタが不可欠でした。通電するので、万が一の事故があってもいけない。これを内製するのは厳しいので、パートナーを探す中で、航空電子さんが最適と考えました。

株式会社Xenoma Co-Founder & CPO

      中島正雄様

株式会社Xenoma Co-Founder & CPO 中島正雄様

スピード感重視 毎週のミーティング

松永:当社はおかげ様でコネクタの定評をいただいていますが、丸洗いできるというものを今まで量産化したことはなかった。しかも、お話をいただいたのが2019年の春ごろで、年末までに開発を済ませて販売したいということで、そのスピード感に驚きました。

 

中島:私も起業前はいわゆる大企業にいたので、製品開発プロセスで時間が掛かる事は理解しています。そこを迅速に対応していただいてありがたかった。家庭で洗濯するということは、洗濯槽の中で強く引っ張られたり、ぶつかり合ったりすることで強い外力が加わるうえに水、洗剤、また繊維くずやごみ、いろんな夾雑物にもさらされる。それに耐えられて伸縮配線との接続も劣化しないという、難しい条件をお願いしました。

JAEの松永とゼノマの中島さんの対談写真

松永:毎週のように会議をして試作品をお見せして、改良をしていきましたね。最終的に組み付けるのはアパレル工場のラインの方なので、そこで扱っていただきやすいアパレルフレンドリーな製品にしないといけない。当社の試験ラインにも足を運んで頂いて組立工程についても提案をさせて頂きながら試作を重ねました。また、カスタム部品となる樹脂部品は金型を作っている時間がないので、切削サンプルを制作して双方間で評価しながら仕様調整しましたね。

 

中島:当社に来ていただいたり、航空電子さんに伺ったり。毎週、ひざ詰めで話をしましたよね。専任チームもつくってくださって。構造など様々な工夫をしてくれました。試行錯誤の末、スマートテキスタイル向けで、洗濯に対応したコネクタ「RK01シリーズ」として量産化できました。

 

中島:当社に来ていただいたり、航空電子さんに伺ったり。毎週、ひざ詰めで話をしましたよね。専任チームもつくってくださって。構造など様々な工夫をしてくれました。

独自技術活用、課題を解決

松永:小型化と操作性を良化する為に複数のコンタクトをリジットな樹脂部品に密集させて一体化する。 このコンセプトで課題となるのは、各部品の公差や実装精度などの製造面で許容しなければならない位置ズレが生じるので、そのまま作ればコンタクト中心同士がオフセットした状態になってしまって嵌合できなくなる。そこで、レセプタクル側に独自のフローティング機構を設けて位置ズレを吸収できる構造にすることで解決しました。
その結果、複数極数でも1アクションで着脱でき、アパレル製品で広く認識されたスナップボタンタイプの着脱方法で、誰でも直観的に操作できる扱いやすいコネクタになりました。導電繊維との接触信頼性を担保する要求には、既に要素技術開発を進めていた独自の結線構造を用いることで組立精度のバラツキに影響され難く、温湿度などの環境試験にも耐えられる長期信頼性をもった設計になっているので、従来のスナップボタンタイプでは難しかった高い接触信頼性も実現しました。

RK01レセプタクルと服飾用スナップボタンの構造例

図.位置ズレ時の接触信頼性比較

ゼノマ・e-skin EMStyle

コネクタ部

ゼノマ・e-skin EMStyleのコネクタ部

中島:これを使えば、心電や筋電、呼吸、生体インピーダンス、モーションセンシングなど、さまざまなデータを幅広く、安定して測定できますね。スマートテキスタイルの素材や極数などに合わせたカスタマイズができるのも、今後の展開を考えると、とてもありがたいです。
おかげさまで出来上がった製品はユーザーにも好評で、また、コネクタが要因になっている不具合の相談は、1件もありません(笑)。

小型・高機能 さらなる展開への期待

ゼノマ・e-skin EMStyle

松永:お客様にコネクタ品質で高評価を頂けるのが一番うれしいです。ありがたいことです。ところで改めて、製品のコンセプトを教えてください。

 

中島:e-skin EMStyle(イースキン エムスタイル)を着用して全身24カ所の筋肉に電気刺激の負荷をかけることで、20分間の短時間運動で、全身の筋力トレーニングと同じ効果を得られます。筋肉に対して確実に負荷を加えることが出来るので、20分間でも筋肉痛になります。有名なスポーツクラブに一括してご採用いただいたり、個人の方向けにスマホアプリと連動して自宅でのオンラインパーソナルトレーニングができるサービスも展開しています。

 

松永:これからのスマート衣料は、より多くのセンサや配線、接続の安定性が課題になりそうです。洗濯できることはもちろんのこと、EMSスーツのような製品においては着用者が何か異常を感じた時にモジュールを容易に素早く取り外すことで内蔵バッテリーからの通電を断つことが出来るよう簡単な脱着性も安全面から考えて重要です。当シリーズは、そうしたご要望にお応えし、多極対応、操作性と高い接続信頼性で、スマートテキスタイル製品の小型化・高機能化に貢献したいと考えています。

 

中島:展示会に一緒に出展させていただいたりしていますし、これからも新製品の開発などで協力させていただければと思います。

 

松永:スタートアップの方々のとがったニーズ、アジャイルな開発は私たちの参考にもなります。こちらこそ、これからもよろしくお願いします。

JAEの松永とゼノマの中島さんのツーショット

RK01シリーズ カスタム開発プロセス詳細資料ダウンロード

コネクタカタログ(PDF)をご覧ください。


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